板硝子協会サステナビリティ特別委員会 第1回ガラスリサイクル シンポジウム2026 今後の課題解決への方向性を共有
2026.10.05
(一社)板硝子協会のサステナビリティ特別委員会は、9月17日(木)午後2時30分から、アルカディア市ヶ谷(私学会館)7階琴平の間とZoomウェビナーのリアル・オンライン併催で、「第1回板ガラスリサイクルシンポジウム2026」を開催した。当日は会場参加者のほか、オンラインで約400名が視聴した。
板硝子協会特任理事でサステナビリティ特別委員会事務局長の伊東弘之氏の司会で開会したシンポジウムのテーマは『板ガラスリサイクルをどう進・奨めるか』。板ガラスリサイクルの現状と課題を確認し、今後の課題解決への方向性や提案を共有するもので、基調講演やリサイクル活動報告、実証実験の成果発表、パネルディスカッションなどがおこなわれた。
はじめに、板硝子協会会長でサステナビリティ特別委員会委員長の森重樹氏が登壇、主催者を代表して出席者、関係者に謝意を述べた後「本日のシンポジウムは、当協会の板ガラスリサイクルの取り組みにつきまして、皆様にご理解を深めて頂く一つの機会になれば思い、開催したものです。協会では2024年度から、サステナビリティ特別委員会を設置し、板ガラスリサイクル再資源化部会を組織し、活動を展開してまいりました。昨年12月には、東京大学の清家剛先生のご指導の下で『板ガラスリサイクルビジョン2025』を発表しました。板ガラスリサイクルの道は始まったばかりです。私たちはリサイクルビジョンを通じて板ガラスリサイクルへの決意を皆様に宣言し約束しました。業界全体の力を結集して、板ガラスリサイクルに向けた歩みを進めて行く覚悟です」とあいさつした。
続いて、東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻教授・博士(工学)の清家剛氏が、「「建材リサイクルの現在地とガラス」と題した基調講演を行った。
講演では、建築での脱炭素・資源循環の動向や国際動向、今後の建築LCA(ライフサイクルアセスメント=Life Cycle Assessment)などについて解説。また、リサイクルについては、オランダの板ガラスリサイクルやドイツの樹脂窓リサイクルの事例を挙げながら、日本における樹脂窓リサイクル検討委員会の概要にも触れ、同委員会が現在ではリサイクル製品の市場導入を年度内目標と設定して活動していることなどを解説した。一方、板ガラスリサイクルに向けた取組みでは、安全なプレカットリサイクルのみの動きから、現在では解体・改修現場からのポストカレットの改修を目指す段階に入っているとして、今後はプレカットに加えポストカレットもリサイクルを進め、2050年のカーボンニュートラルに向けた リサイクル量の増加を目指していく考えを示した。最後に、板ガラスリサイクルのこれからとして、体制の強化や、ハウスメーカー、ゼネコンの協力を得た上での回収の仕組みの確立などを挙げ、「ガラスはリサイクルできる材料」であることを貫くことが重要として、講演を終えた。
続いて、伊東氏から2026年のサステナビリティ特別委員会の組織と体制や活動の説明が行われ、2025年度には①「板ガラスリサイクルビジョン〜ファーストビジョン2025」の発出、②建築ガラスリサイクル実証実験3件の完遂、③自動車ガラスリサイクル「J‐FAR実証事業」の完了、④複層ガラス解体・分解技術として「すのこ落し破砕装置」を検討俎上に載せることを達成したと報告した。
また、実証実験については、担当委員から個別に概要や今後の課題の報告もなされた。
休憩を挟んだ後、パネルディスカッションが行われた。モデレーターを清家氏が務め、積水ハウスESG経営推進本部環境推進部資源循環チームのチームリーダーである村井孝嗣氏、全国板硝子卸商業組合連合会の田中廣会長、全国板カレットリサイクル協議会の安藤登康会長、㈱鈴木商会取締役兼常務執行役員の阿部淳氏、AGC㈱建築ガラスアジアカンパニー持続的経営基盤構築グループに所属し板硝子協会建築ガラスリサイクル分科会委員も兼ねる飯野晃典氏の5名がパネリストとして登壇した。
全員の自己紹介が終わった所で、モデレーターの清家氏が、パネルディスカッションのテーマである「ガラスリサイクルの実現に向けて」に沿う形で、5人のパネリストにそれぞれの立場からガラスリサイクルについてどう取り組みを進めているか、などのコメントを求めた。
パネリストは、各々の立場からガラスリサイクルの現状などについて意見を述べ、最後に清家氏がガラスのリサイクルには色々な所に問題があるが、幾つかの現場で実験ができ、それについて様々な方に声をけれることでアクションが始まっていった事が大切。こうした動きがあることを知っていただき、前向きに話を聞いてもらうことで少しずつ進んでいくと思う、と話し、パネルディスカッションを終えた。
最後に、経済産業省・国土交通省、環境省の各担当からシンポジウムの講評うけて、午後5時に閉会した。

