AGC 2024年12月期第1四半期決算 売上高4987億円
2024.05.27
AGC㈱(本社=東京都、平井良典社長)は、5月8日(水)午後2時よりオンラインで決算説明会を開催。2024年12月期第1四半期(2024年1月1日~3月31日)の連結業績を発表した。
それによると、売上高は、建築ガラスや化学品の苛性ソーダ・塩化ビニル樹脂の販売価格が下落したものの、為替の増収効果や電子の売上増加により前期比増収の4987億円(前年同期比1.9%増)だった。
営業利益は、原燃料価格が下落したものの、建築ガラス等の販売価格下落等により前期比より101億円減収の241億円(同29.5%減)だった。
親会社の所有者に帰属する当期純利益は前年同期比430億円減の210億円の損失と増収減益だった。ロシア事業の譲渡に伴うその他費用が発生したためとしている。
なお、2024年12月期(2022年1月1日~12月31日)の連結業績予想は、売上高2兆1000億円(前年同期比4.0%増)、営業利益1500億円(同16.5%増)、税引前利益1050億円(同14.5%減)、当期純利益650億円(同21.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期純利益530億円(同19.5%減)を見込んでおり、今年2月の発表時より変更はないとしている。
セグメント別の状況では、建築ガラスセグメントは、売上高は1103億円と前期に比べ103億円の減少、営業利益は42億円と前期93億円より51億円減少した。地域別売上高は、アジアが前期比21億円減の352億円。全ての地域で出荷が減少したことにより減収となった。欧米は前年同期比85億円減の746億円。為替による増収効果はあったものの、欧州で販売価格が下落したことにより減収となった。42億円の営業利益の内訳はアジアが4割、欧米が6割としている。
オートモーティブセグメントは、売上高は前年同期比57億円増の1242億円。営業利益は同増減なしの48億円。①日本や欧州等で自動車生産台数が減少したことにより、当社グループの出荷は減少②為替による増収効果や販売価格の上昇があり増収となった。
ガラスセグメントの通期業績見通しは、前年同期と比べ1327億円増の8700億円、営業利益は同27億円増の300億円を見込んでいる。
電子セグメントは、売上高は前年同期比123億円増の825億円。内訳は、ディスプレイが70億円増の426億円。電子部材が同54億円増の394億円。営業利益は同53億円増の72億円。
ディスプレイは液晶用ガラス基板の出荷増加や販売価格上昇等により増収。電子部材はEUV露光用フォトマスクブランクス等の半導体関連製品の出荷が増加したことに加え、為替の効果もあり増収となった。営業利益の構成比は電子部材が10割としている。
化学品セグメントは、売上高は前年同期比27億円増の1436億円。営業利益は同36億円減の136億円。
ライフサイエンスセグメントは、売上高は前年同期比7億円減の325億円。営業利益は同69億円減の63億円の損失。
セラミックス・その他は、売上高は前年同期比増減なしの199億円。営業利益も同じく増減なしの6億円だった。
セグメント別の2024年度通期の売上高、営業利益の見通しは次の通り。
①建築ガラス
・売上高=4600億円(前期比・163億円減)
・営業利益=300億円
(同・28億円減)
アジアは、景気低迷に加え、ロシア事業譲渡による減収影響を受けるものの、エネルギー削減のための高断熱ガラスへの置き換え需要が当社の出荷を下支え。
欧米高断熱・遮熱ガラスの需要拡大などにより、当社の出荷は堅調に推移する。
②オートモーティブ
・売上高=5100億円(同103億円増)
・営業利益=230億円(同12億円増)
自動車生産台数及び当社グループの出荷は、23年並み。また、価格政策や従来より取り組んでいる構造改革の効果が発現する。
③電子
・売上高=3300億円(同168億円増)
・営業利益=330億円(同145億円増)
☆ディスプレイ
・液晶用ガラス基板は収益改善策の推進に加え、需要の回復により収益が改善する。
・ディスプレイ用特ガラスはスマートフォン市場の回復及び当社の主要なお客様からの受注が拡大し、出荷が増加する。
☆電子部材
・オプトエレクトロニクス用部材はスマートフォン市場の回復により、出荷が堅調に推移する。
④化学品
・売上高=6200億円(同459億円増)
・営業利益=600億円(同48億円減)
☆エッセンシャルケミカルズ
東南アジアの需要は堅調に推移するものの、中国経済低迷により市況回復に時間を要することを懸念。
☆パフォーマンスケミカルズ
半導体向け、輸送機器向けフッ素関連製品の需要増により、出荷が増加する。
⑤ライフサイエンス
・売上高=1400億円(同132億円増)
・営業利益=30億円(同154億円増)
合成医農薬CDMOの受託売上は23年並みの見込み。
バイオ医薬品CDMOは、立ち上げが遅延していた米国新規ラインの商用運転が再開する一方、バイオベンチャーへの資金流入の回復状況は注視。
⑥セラミックス・その他
・売上高=800億円(前期比・34億円減)
・営業利益=10億円
(同・23億円減)