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廃棄窓ガラスの水平リサイクルスキーム構築

2025.04.07

窓ガラスの水平リサイクル事業スキーム図
 AGC㈱とオリックス㈱および、オリックス環境㈱は、集合住宅などの改修工事で発生する廃棄窓ガラスについて、国内初となる水平リサイクル事業スキームを構築したと発表した。
 水平リサイクルは、使用済み製品を原料として、再び同じ種類の製品を製造する取り組みで、廃棄物の削減や資源の節約により環境負荷の軽減につながる。今回の協業では、廃棄物処理事業者のオリックス環境が廃棄窓ガラスの回収およびサッシの分離を行い、次にガラスのリサイクル事業を展開するTREガラス㈱(本社=東京都江東区、行森秀和社長、TREホールディングス㈱の連結子会社)がカレット(ガラス端材)の精製および品質確認を行い、最後にAGCが当該カレットを用いて新たな建築用板ガラスを製造する。各社の強みを生かすことで、経済的に持続可能な水平リサイクルの運用体制を構築した。
 なお、オリックスは、本スキームの構想および全体のマネジメントを担当する。
 現在、国内で建築物から発生する廃棄窓ガラスは年間50万トン以上とされ、主に埋め立てや、元の製品よりも品質が低い製品として再利用するカスケードリサイクルによって処理されている。同スキームで窓ガラスを水平リサイクルすることで、産業廃棄物の削減だけでなく、ガラス製造時のカレット使用比率の増加により、珪砂(けいしゃ)やソーダ灰などのバージン原料の使用量の節減や、原料の輸入率低減に寄与する。また、カレットはバージン原料と比較して低温で溶解できるため、製造工程におけるGHG排出削減にも貢献する。今後は、パートナー企業のさらなる参画を推進し、本スキームの拡大を目指すとともに、太陽光パネルや自動車の窓ガラスなど、建築用途以外の廃棄ガラスへの適用も検討する方針。

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