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AGC 2024年第3四半期決算は増収ながらも赤字

2024.11.11

宮地CFO
 AGC株式会社の2024年第3四半期決算は売上高1兆5342億2400万円(前年比3.4%増)、営業利益940億1200万円(同1.6%減)、税引き前四半期損失743億9400万円、四半期純損失944億1500万円、親会社の所有者に帰属する四半期純損失1064億1000万円、四半期包括損失67億6900万円で、増収ながら赤字となった。
 建築ガラスの価格低下、ロシア事業からの撤退、自動車ガラスの出荷減少、化学品の価格下落、ライフサイエンス事業に係る減損損失などが影響した。通期予想は第2四半期決算と変化なし。
 建築ガラスは売上高3297億円(前年比250億円減少)、営業利益140億円(同129億円減少)だった。
 アジアで出荷が減少したことが減収につながった。欧米では為替による増収であったが、販売価格が低下したことと、ロシア事業からの撤退の影響があった。
 オートモーティブは売上高3750億円(同88億円増)、営業利益114億円(同47億円減少)
 自動車用ガラスは、日本を中心に自動車の生台数が減少したことで出荷は減少。しかし、為替の効果等で増収となった。一方、北米では生産・出荷トラブルを主な原因とするコスト増により減益となった。
 電子セグメントの売上高は2668億円(同414億円増加)、営業利益は364億円(265億円増加)。液晶用ガラス基板の出荷増などによる。化学品セグメントは売上高4394億円(同139億円増加)、営業利益446億円(同33億円減少)。ライフサイエンスは売上高1000億円(同82億円増加)、営業損失167億円(90億円の損失増加)
 収益性は第2四半期を底に、第3四半期は徐々に改善傾向にあると同社ではみており、固定費の削減やオペレーション改善施策等を実施しており、順次効果がでているという。シアトル拠点での人員削減、ロングモント拠点の凍結などを実施した。
 ライフサイエンスセグメントは中長期的には業績悪化の内部要因解消と市場環境回復により、稼働率が徐徐に上昇しているという。2026年に同事業の黒字化を見込んでいる。
 今後の見通しについては、建築ガラスはアジア地域において需要は伸び悩むものの、高透過、遮熱ガラスの需要が下支えし、横ばいで推移するとみている。オートモーティブは自動車生産は国内ではやや増加すると予想するが、一部地域では減少するとしている。電子関連はスマートフォンが需要期となることから堅調、電子部材は半導体関連部材が増加するとしている。
 化学品は中国市場の低迷で低水準で推移、ライフサイエンスは合成医農薬CDMOの在庫調整が続くが合成医薬の出荷は増加するとしている。
 11月1日に行われた決算発表には、代表取締役副社長執行役員CFO宮地伸二氏と常務執行役員経理・財務部長の粕谷俊郎氏が出席した。

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