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セントラル硝子 海外ガラス事業から撤退

2022.04.11

 セントラル硝子㈱は、このほどガラス事業の構造改善について発表した。
 海外ガラス事業については、欧米の自動車ガラス事業(米国Carlex Glass America, LLC社/以下、「CLXA社」および欧州ルクセンブルクのCarlex Glass Luxembourg S.A.社/以下、「CLXL社」)の譲渡を決定。既に発表している米国建築ガラス事業、台湾電子材料用ガラス事業の事業撤退と併せ、海外における支配権を有する全ての海外ガラス事業から撤退する。
 欧米の自動車ガラス事業は2021年度で約550億円の売上高を見込んでいる。同社では、今回の譲渡により2022年度の連結売上高は減少するものの、利益やキャッシュ・フローは改善に向かうと見込んでいる。
 一方、国内ガラス事業については、先に発表(2021年4月5日付参照)したとおり、国内建築ガラス事業については、板ガラス生産窯の2窯停止、販売及び加工拠点の集約を本年3月までに実施した。これらの施策により、需要に見合った生産、販売体制の構築による固定費の削減、加えて価格改定が浸透、原燃材料の高騰をカバーして、収益改善の目途が立ったとしている。
 国内自動車ガラス事業についても、板ガラス生産能力に見合った事業規模への適正化を計り、原燃材料の価格上昇の転嫁などによる、収益改善施策を計画している。
 同社では今後も国内ガラス事業の構造改善の取り組みについて、適時発表するとしている。
 また、今回の欧米の自動車ガラス事業譲渡については、CLXA社およびCLXL社の全ての株式を、米国のAtlas Holdings LLCが保有する投資ファンドが設立した特別目的会社ACRⅡ Glass Holdings Inc.(米国)と、ACRⅡ Glass Holding B.V.(オランダ)社に譲渡することで合意した旨を発表。
 同株式譲渡を合意したことで、株式譲渡損失引当金繰入額として約475億円を特別損失に計上する見込みとなったことから、2022年3月期連結業績予想を修正している。

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