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AGC 12月期決算 売上高2兆358億円過去最高を記録

2023.02.27

 AGC㈱(平井良典社長)が2月8日に発表した2022年12月期通期(1月1日~12月31日)連結決算は、売上高が前期比19・9%増の2兆358億円、営業利益は10・8%減の1839億円だった。当期純利益は前期比1270億円減のマイナス32億円と一転し最終赤字となった。
 売上高は戦略事業の拡大や製品販売価格の上昇、為替影響から過去最高を更新した。営業利益はディスプレイの大幅な需要減、原燃材料高の影響から前年比で減益となった。親会社の所有者に帰属する当期純利益は、大規模な減損損失の計上(ディスプレイ、プリント基板材料、ロシア建築用ガラス・自動車用ガラス、欧州自動車用ガラス)に伴い当期純損失を計上した。
 セグメント別にみると、ガラスの売上高は前期比1673億円(22・8%)増の9015億円だった。
 建築用ガラスは、需要回復に伴い日本・アジアで出荷が増加したものの、景気減速の影響を受けた欧州、南米で出荷が減少した。販売価格は原燃材料高などを背景に欧州を中心とした全ての地域で上した。
 なお、2021年8月に北米建築用ガラス事業を譲渡したが、右記の増収要因に加え為替の影響もあり、前期に比べ増収となった。自動車用ガラスは、半導体を中心とした部品供給不足の緩和により自動車生産台数が緩やかに回復し、当社グループの出荷も増加した。また、販売価格が欧州を中心に上昇したことや為替の影響もあり、前期に比べ増収となった。
 営業利益は、欧州における天然ガス価格などの上昇の影響を受けたことから同44億円(16・2%)減の229億円となった。
当期の電子の売上高は、前期比22億円(0・7%)増の3072億円。営業利益は、前期比221億円(60・1%)減の147億円となった。
 また、当期の化学品の売上高は、前期比1644億円(26。1%)増の7952億円。営業利益は、同42億円(3・0%)増の1429億円だった。
 2023年通期業績見通しをみると、売上高は2兆1500億円(前期比1141億円 5・6%増)、営業利益は1900億円(同61億円 3・3%増)。親会社の所有者に帰属ずる当期純利益は870億円の増収増益を予想している。
 また、中期経営計画「AGC plus―2023」の進捗の発表もあり、その中で、コア事業の一つである2023年の建築ガラスの課題対応として「市況変動に強い体質づくりを継続して行う」オートモーティブの課題対応として「積極的な価格政策の実行、生産効率の改善を継続する」との説明があり、2023年のガラス事業の売上は建築ガラス5000億円、オートモーティブ4700億円を目指す。また、営業利益は建築ガラスが360億円、オートモーティブが80億円を目指すとしている。
 2030年のありたい姿実現に向けてとして「独自の素材・ソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとともに、継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーでありたい」とし、2030年までに営業利益3000億円以上、戦略事業の利益が全社の50%超を目指すとしている。

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