日本板硝子 国内建築ガラス事業の子会社再編成について 諸般事情で半年延期(社名は「日本板硝子S&S株式会社)
2023.10.02
日本板硝子(NSG、本社=東京都、細沼宗浩社長)は、本年3月末に10月1日付けで国内建築ガラス事業の子会社再編を行う予定であると発表した。そのような中、再編の時期が遅れるとの情報があり、時期変更理由などを同社アジア事業部日本統括部営業部長・大野義之氏にお話を伺った。
おさらいのため、3月末の発表内容を再度紹介すると、
(1)再編の目的
当社の国内建築ガラス事業は、これまで一般のガラス取引店などとの取引の他、各地域に配置した販売子会社を通じたガラス製品の販売により、地域の実情やニーズに即した事業運営を行ってまいりました。今後、日本国内では労働人口、総人口の減少や、新築住宅需要の中長期的な鈍化が見込まれています。一方で、最近の建築用ガラスのトレンドとして、CO2削減や省エネルギーによって環境に貢献できる製品や、安全・防災に効果のある製品などへの様々なニーズが高まっています。また、新築住宅だけでなく、既存住宅へのガラスリフォームの需要も増えているなど、ガラスに関する社会や市場環境が大きく変わりつつあります。
こうした変化に対応するため、今般国内の販売子会社を統合再編し以下の点に注力して体制を強化してまいります。
①建築用ガラスに関する提案力の強化②ユニークな特長を有した商品・サービスの一層の拡販③リニューアル市場への取り組み強化④人材採用及び人材育成の取り組み強化
(2)合併対象子会社
①日本板硝子北海道㈱②日本板硝子東北㈱(宮城)③NSGインテリア㈱④日本板硝子ディー・アンド・ジー・システム㈱(東京、新社名は日本板硝子S&S)⑤日硝(愛知)⑥高橋硝子建材㈱(石川)⑦日本板硝子ウインテック㈱(大阪府)⑧㈱ベールドノール(北海道)
(注)日本板硝子北海道㈱及び日本板硝子東北㈱の持つ複層ガラス製造部門は、会社分割により日本板硝子ビルディングプロダクツ株式会社に移管。
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――子会社再編時期について、発表当初は10月1日予定でした。
「子会社再編について、特に問題が発生したわけではありませんが、諸般の事情で延期することと致しました。再編の時期は延期しましたが、再編に向けた準備は各子会社のメンバーにも参加してもらい、予定通り進行しています。当初予定では、統合後に調整を行う必要があった課題についても、この半年間で調整する時間ができましたので、4月には順調に新統合会社としてスタートが切れると考えております。」
――親会社の決算時期に合わせたのではないかという話も耳にしました。
「再編を延期した理由の一つではありますが、これに限ったことではありません。」
――今回、再編予定のひとつである、日本板硝子ディー・アンド・システム㈱が社名を日本板硝子S&S㈱に変更されました。再編するのに、なぜ今になって社名を新たにされたのですか。
「複数の会社を再編・統合するにあたってディー・アンド・ジー社を存続会社とし、統合することと致しました。既にご案内していますが、同社の社長を左山克明より私、大野に変更しました。この日本板硝子S&S株式会社が統合会社の母体となるとご理解ください。」
――社員やお客様にとって新会社はどのような感じになるのでしょうか。
「基本的には従来の事業を継承し、お客様と共に発展して行きたいと考えておりますが、再編の目的にも挙げている通り、市場環境の変化に柔軟に対応し、体制を強化して参ります。」
――S&Sの意味は?
「SはSalesとSolutionsの略です。今回の新統合会社は、販売を主とした企業体という意味でSales(販売)としており、そこから生まれて来るお客様の課題やニーズにお応えするという想いを込めてSolutions(解決)としております。
――新会社の社長も大野さんが着任するということですか。
「人事については、4月1日からということですので、何も決まっていません」
――本社は東京のどこに?
「これも、検討中です。スタートまでには発表します。」
――大野さんはNSGインテリアの社長にも就任されたと発表されていますが、アジア事業部日本統括部営業部長はどなたになるのでしょうか。
「10月1日から、アジア事業部日本統括部営業部長は現企画部長の山崎亨に引き継ぎます」
――山崎さんは名古屋支店長も兼務されています。
「名古屋支店長は現在東京支店長である斎藤淳が兼務し、大阪支店長も現奥野高広九州支店長が兼務します。支店組織はそのまま残す形で、東日本は斎藤が、西日本は奥野が担当するという形になります。いずれも兼務となりますが、各支店のスタッフとの連携を強化しつつ、スピード感を持った運営に努めて参ります。」
――話は変わりますがパレットの問題はどうなりましたか。
「流通の皆様には、パレット不足に起因する様々な問題を生じさせてしまったことを、この場をお借りして改めて深くお詫び申し上げます。流通の皆様のご協力もあり問題解消に向けて少しずつではございますが動き出しております。また、弊社と致しましても、新規パレット製作や各種対策に取り組んでおり、引き続き、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。」
ーーありがとうございました。