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AGC24年12月期第2四半期は増収減益に

2024.08.26

平井社長
 AGC株式会社の2024年第2四半期決算は売上高1兆151億9500万円(前年比3.0%増)、営業利益566億9000万円(同11.9%減)、税引き前中間損失923億8800万円、中間純損失1067億4400万円、親会社の所有者に帰属する中間損失1145億円の増収減益だった。
 ライフサイエンスのバイオ医薬品CDMOに係る減損損失により大幅な減益、赤字化となった。CDMO製品においては、主にバイオベンチャーへの資金流入減による需要低迷から回復遅れにより営業損失が悪化。1183億円の減損損失を計上した。
 売上高は建築ガラスや化学品の苛性ソーダ・塩化ビニール樹脂の販売価格の下落、ライフサイエンスのCDMOの受託売上高減少があったが、為替の増収効果や電子の売上増加により前年並みとなった。
 営業利益の減少はCDMOの売上高減少、当期純利益はこの減損損失とロシア事業の譲渡にともなう関係会社の株式売却損が発生したことが影響した。
 建築ガラスの売上高は2247億円で、前年比151億円減少、営業利益102億円で84憶円の減少だった。欧米で販売価格が下落したこととロシア事業の譲渡の影響があった。
 自動車ガラスの売上高は2519億円で112億円増加。為替による増収効果があったが、出荷は減少している。日本を中心に自動車の生産台数が減少したことによる。営業利益は106億円で3億円増加した。
 通期に向けて建築ガラスでは、日本で省エネガラスの改修需要が増加すると予想され、タイとインドネシアで需要の回復が期待される。このことにより、堅調に出荷するとみている。一方、欧米では景気低迷とロシア事業の譲渡による減収の影響を受けるものの、価格政策やコスト低減が収益を下支えするとみている。
 しかしながら、ライフサイエンス事業において、大幅な販売減少とコストの増加が見込まれる。この結果、通期予想は期首予想から下方修正した。減額は営業利益が200億円、税引き前利益が1470億円、当期純利益が1430億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益が1480億円。
 2024年第2四半期決算説明会で社長執行役員CEO平井良典氏は「コロナ禍で急激に需要が増加したライフサイエンス事業において社内体勢がそれに伴っておらず、対応できなかった。建築ガラスは欧州が足元が弱い状況だが、国内は堅調に推移している」などと話した。
 尚、期末予想の親会社の所有者に帰属する当期純損失を950億円と予想しているが、これは過去最大の赤字。

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