タキロンシーアイプラス 森社長に聞く
2024.12.02
弊紙3月25日第3320号高機能特集4面で紹介した通り、タキロンシーアイ㈱(本社=東京都、福田祐士社長)は、本年4月1日付けで同社傘下のグループ企業・㈱ミヨシを同じく同社傘下のタキロンシーアイプラス㈱(本社=東京都、森裕也社長)に吸収合併させると発表した。今回は東京都品川区にあるタキロンシーアイプラス本社を訪ね、森社長に吸収合併の狙いや今後の動向についてお話を伺った。
――改めてお聞きしますが、今回の吸収合併の目的・狙いなどをお聞かせ下さい。
森 タキロンシーアイは2023年3月に防煙垂壁事業を営むミヨシを完全子会社化し、同事業の拡大を図ってきました。さらなる事業の発展とグループシナジーの創出を目指し、建築資材・管工機材の卸売り事業を展開するタキロンシーアイプラスとミヨシとの合併を実施することとしました。
――タキロンシーアイとタキロンシーアイプラスの違いは?
森 タキロンシーアイは製造を担当し、タキロンシーアイプラスは建材資材ルートとホームセンタ―への営業を担当しています。
――ガラス業界では、防煙垂壁と言えば「ミヨシ」というぐらい名前は浸透していましたが…
森 確かにメーカーの知名度では「ミヨシ」が、製品知名度では「ダンスモーク」が浸透していると認識しています。今回の合併は、タキロンシーアイグループ化による相乗効果に大きく期待しています。「ミヨシ」は東京・広島の2営業拠点の限られた人員による営業活動でしたが、合併することで、タキロンシーアイプラスの全国営業ネットワークを活用し新たな展開が開けます。その一方で、「ミヨシ」の知名度も活かすため、「M式ツリコ」という商品名も残していますし「ミヨシ」からの社員も残ってもらっています。
――全国にいくつ営業所があるのですか?
森 ルート営業部は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、鹿児島の8拠点となります。
――防煙垂壁の売上比率はどれくらい?
森 タキロンシーアイプラスの売上高全体の現在4~5%となります。
――防煙垂壁の製造については?
森 タキロンシーアイに移しました。
――タキロンシーアイプラスとして防煙垂壁のPR・拡販方法はどのように?
森 4月1日以降は、お客様に対して、吸収合併の説明の方に力をいれてきましたので、商品説明は、これからスタートするような形になります。現在は、シート系・ガラス部品・材工受注(関東エリア限定)を提案できる総合メーカーとしての優位性を前面に出し製品PRを実施しています。
12月には防煙垂壁総合カタログも整備されタキロンシーアイプラス全国8拠点の営業力を駆使し、設計・営業活動を本格化していきます。
――防煙垂壁の販売目標をお聞かせください。
森 防煙垂壁の市場規模は取替も含めて約65万㍍と見ています。2026年度は約30万㍍。約10億円を目標にしています。
――4月に吸収合併を発表されましたが、ガラス業界の反応はいかがでしたか?
森 未だ、統合について業界では周知されていない状況ですが、統合により更なるサービス向上を目指し地道な営業活動を推進していきます。今後はタキロンシーアイプラスの営業ネットワークを活用から、販売店への提案、設計事務所へのスペックイン活動の強化による拡販が期待できます。
――その他、ご報告などがあればお聞かせ下さい。
森 タキロンシーアイプラスはタキロンシーアイ建材事業製品の販売窓口会社として2021年に設立されました。タキロンシーアイ製品販売により市場開拓を展開しつつ商社としても関連他社製品販売へも傾注度を高め、幅広い建築資材の提案実施によりお客様の評価を頂いております。この度、ミヨシからの事業継承により防煙垂壁製品の販売工事を展開することから会社としての引き出しも更に増えました。引き続き「新たなプラスの創造」に向け、防煙垂壁事業の拡大に最注力していきたいとの考えです。
――流通店や工事店関係のイベント等に積極的に参加していただければ、タキロンシーアイの防煙垂壁も広まったいくものと思われます。ぜひ頑張ってください。どうもありがとうございました。
☆森裕也社長の略歴
1969年生まれ。現在55歳。1992年タキロン㈱入社。大阪、香川、大阪、東京にてタキロン(2017年よりタキロンシーアイ)住設建材製品営業担当。2021年タキロンシーアイプラス㈱代表取締役社長就任。趣味はテニス・ゴルフ。森氏はタナチョー主催の原爆法要にも参列している。