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日本板硝子 省エネガラス向けコーティング設備 千葉事務所に設置 国内生産能力を増強

2025.07.07

新ペアマルチLow-Eを背に商品紹介する山崎氏(右)と中村氏

 日本板硝子㈱(本社=東京都、細沼宗浩社長)は、国内建築用ガラス事業の主要製造拠点である千葉事業所(千葉県市原市)において、最新鋭のスパッタリングコーティング設備を導入し、省エネ効果の高いLow―Eガラスの生産能力増強を計画していると発表した。

今回は、東京都港区にある本社ビルを訪問し、同社アジア事業部日本統括部営業部長・山崎亨氏、同営業部営業企画部担当部長・中村太一氏のお二人に設備投資の目的などについてお話を伺った。

同社の発表内容については次の通り。

近年、脱炭素化に向けた全世界的な取り組みが進む中、日本においてもカーボンニュートラルの実現に向け、政府による住宅や建築物の省エネ水準の抜本的な見直しや引き上げ、規制の対象範囲拡大等の施策が実施されていく見通しです。これに伴い、より省エネ効果の高いLow―E複層ガラスの需要拡大が見込まれています。

 Low―Eガラス(Low―Emissivity、低放射ガラス)は、ガラス表面に透明金属膜をコーティングし、建物内外の熱の透過を防ぐ省エネガラス。国内新築住宅におけるLow―E複層ガラスの普及率は年々上昇傾向にあり、2023年時点で戸建住宅では85・0%、共同住宅でも62・8%(板硝子協会調べ、面積ベース)まで拡大している。

当社はこれまで日本国内においては、大半のLow―Eガラスをグループ内外から外部調達してLow―E複層ガラスを生産していましたが、今後も高い需要が継続的に見込まれるとともに、商業ビルなどの非住宅分野や既存建築物のリフォーム市場などへも更なる採用拡大が見込まれることを踏まえ、本格的な国内生産に向けた投資を行うこととしました。本設備の稼働は2026年4―6月期、量産開始は同年7―9月期を予定しているとしている。

◎新ペアマルチLow―Eについて

(1)クリア系2種、グリーン・ブルー・グレー系を各1種、計5種のラインアップ(厚み3―12)を準備予定

(2)大寸法に対応(6000㍉)より大きな開口部に提案することが可能だ

(3)各種防火戸にも対応。建築用途。部位の制限なく提案することが可能となった

☆  ☆  ☆

当日の質疑応答の内容については次の通り。

 ――これで生産能力は?

 「現行のスパッタリング製造設備の生産能力が限られていることもありますが、現行設備と比較すると10倍程度になります」

 ――これまでの設備は?

 「現行のスパッタリング製造設備についても継続して稼働させる予定です。」

 ――10倍も生産能力を増強したら、供給過剰になりませんか?

 「現行は一定量のLow―Eガラスをグループ内外から調達していましたので、その分も含めて今回導入する設備で生産することになります。単純に販売量が10倍に増えることを想定しているわけではありません。」

 ――最大生産寸法は?

 「Low―Eガラスの素板サイズで長辺6000㍉の生産が可能です」

 ――今までの生産方法との違いは?

 「従来の設備では銀1層のLow―Eガラスしか製造できませんでしたが、今後は銀2層のLow―Eガラスが製造可能となりますので、断熱・遮熱の性能を向上させた製品を供給できるようになります。」

 ――なぜ、来年秋の発表をこの時期に?

「新型Low―Eガラスの発売は2026年の秋に販売開始予定です。商業ビルなどの非住宅分野ではガラスの仕様を決めてから出荷までに1年以上要すことが多いため、このタイミングでお客様にはアナウンスを開始させて頂きました。」

――千葉事業所に設置したメリットは?

「千葉に設置することによって、素板から複層、合わせ、強化ガラス等、高機能ガラスまでの生産が一つの場所で生産できることになります。これだけの複合製品を一貫して製造できる工場は当社の強みであり、この利点を活かしてご提案をして参りたいと思います。」

――お客様や社員の方たちは?

「お客様からは、待ちに待った製品が漸くできたか!と大変高いご関心を頂いています。また、将来を見据えた新商品の発売に社員の士気も高まっておりますので、流通の皆様にもご協力をいただきながら拡販に努めて参りたいと思います。」

――本日は、ありがとうございました。

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