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東北板硝子3組合 合同会で交流深める ガラス3メーカー・板協が講演

2026.03.02

東北卸・大久保理事長
全硝連東北地区本部・佐藤本部長
東北工事・原田理事長

 東北板硝子卸協同組合(大久保章宏理事長)、全国板硝子商工協同組合連合会東北地区本部(佐藤浩二本部長)、東北板硝子工事協同組合(原田尚樹理事長)の3組合は2月19日、宮城県仙台市のパレスへいあんで「令和8年東北板硝子業界合同講演会・安全祈願・賀詞交歓会」を開催した。

 講演会では、主催者を代表して東北板硝子卸協同組合の大久保理事長が登壇。「資材の高騰など厳しい局面にあるが、それぞれが利益をしっかり掴んでいかなければ業界は良くならない」と語った上で、補助金の活用推進に向けてネットを活用したPRの有効性に触れつつ、デジタルツールの積極活用と推進を呼びかけ、「人口減少や人手不足といった構造的な課題に対して業界全体で情報を共有し、一丸となって進むべき方向を見出す機会にしたい」と述べた。

 講演会では「これからの板ガラス流通業界の推移とメーカー会社としての方針」をテーマに、板硝子メーカー3社が登壇した。

 日本板硝子ビルディングプロダクツ㈱の森隆哉・執行役員部長は、足下の建築動向を解説した上で、今後リフォーム・改装の需要を顕在化させていく事の必要性に言及。その鍵として「地域に密着する事業者が、顧客に対してガラスの価値を説くこと」の重要性について語り、業界全体の事業継続性の観点からも強調した。また、断熱に加え、健康管理や防災といった付加価値を能動的に提案することで、潜在的な需要を掘り起こし、価格だけの競争に陥らない市場形成が可能になるとした。さらに森部長は、補助金を活用した空調設備更新時に窓改修をセットで提案するなど、近接する事業領域とも連携し、一人の営業担当者が多角的な提案力を発揮できる仕組みの構築に向けた提案も行った。また、10月に稼働するLow‐Eガラス用の最新設備や、明年に30周年を迎える真空ガラス「スペーシア」の安定供給、AI・DXツールの活用支援を通じ、事業者を強力にバックアップする姿勢を示した。

 AGC㈱の長尾祥浩・持続的経営基盤構築グループリーダーは、使用済みガラス製品を再び窯に戻して製品化する循環型経済への転換を訴えた。また横浜市の小学校解体時におけるガラスリサイクルの実証実験や太陽光パネルで用いられるガラスのリサイクルについて取り組みを紹介し、流通段階でのカレット回収への協力を求めた。

 セントラル硝子プロダクツ㈱の田沼俊夫営業企画課長は、国土強靭化に資する防災・防犯ガラスの普及について言及。(一社)板硝子協会が新たに制定した合わせガラスのグレード制と新ロゴマークを紹介した上で、BL認定を通じた付加価値の可視化によって、社会課題解決と収益向上を両立させる戦略を示した。

 講演の締めくくりとして、(一社)板硝子協会の伊東弘之特任理事が登壇。昨年12月に発表した板硝子リサイクルビジョンについて改めて紹介し、板硝子メーカーが不退転の決意でリサイクルに取り組む姿勢を強調。また、現在取り組みを進めている様々な実証について紹介し、複層ガラスを効率的に分解するスノコ落とし法などの現場技術や、流通と処理業者を直結するプラットフォームの構想を明かし、業界の構造改革を促した。

 講演会終了後、館内に設けられている神殿に移動し、厳かに安全祈願を執り行った。

 その後に開催された賀詞交歓会では、全硝連東北地区本部の佐藤本部長が「山積する問題に対して、プロとしての強い意思と意識を持ち、皆で乗り越えてまいりましょう」と挨拶。続いて来賓を代表してAGCグラスプロダクツ㈱の岡本武士北海道・東北営業部長が市況に対する厳しい認識を示した一方で補助金制度を活用した消費者の高性能ニーズの高まりに期待を寄せた。また、、輸送に関わるCO2削減や、AI・DXを活用した生産性向上、技術伝承といった具体的な課題の解決に向け「皆様とコミュニケーションを密にし、より良い活動を推進したい」と、さらなる連携を呼びかけた。続いて、(一社)板硝子協会の伊東特任理事が登壇し、「仲間の力を結集することは極めて重要」と述べ、3組合が一体となって活動する東北地区の団結力を高く評価。さらに、ガラスのリサイクルには産業廃棄物業者や解体業者といった業界外の団体との仕組み作りが不可欠であるとし、「外部の団体と対等に交渉・連携していくためには、まず身内であるガラス業界内が強固に固まっていなければならない」と強調し、さらなる業界の発展を祈念して乾杯の音頭をとった。

 中締めとして、東北板硝子工事協同組合の原田理事長から、「リサイクルの取り組みは格段に進歩している。メーカー・卸・工事店がそれぞれの役割を全うし、横の繋がりを大事にして前向きに進んでいこう」と総括。最後は参加者全員による三本締めで幕を閉じた。

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