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全硝連 第36回全国理事長会議を開催

2022.11.14

挨拶する宮代会長
伊東氏
講演する大壁氏
会議の様子
出席者の記念撮影
 全国板硝子商工協同組合連合会(全硝連、宮代茂会長)は10月4日(金)、愛媛県松山市のホテルマイステイズ松山2階フェスタで、「第36回全国理事長会議」を開催した。来賓を含め約50人が出席し、窓ガラスの日の在り方、安全合わせガラス寄贈など当面の課題について協議した。
 会議では、福井県板硝子商協同組合の大壁勝洋理事長が「建築用板ガラスのインターネット販売と社員の雇用について」と題し講演。終了後、ホテル3階ドゥエミーラで開いた懇親会で歓談した。翌5日、希望者による市内観光を実施した。
 午後2時に開会した理事長会議では、全硝連専務理事の中村勉氏(新潟県組合連合会会長)が総合司会を担当。副会長の大村宗一郎氏(大阪府理事長)による開会の辞の後、地元の愛媛県組合理事長の白石裕二氏が「海(瀬戸内海)を超えての開催を誇りに思う。業界は厳しい状況だが、前向きの会合を期待したい」と祝辞を述べた。
 宮代会長(神奈川県理事長)は「理事長会議は令和3年度に長野市で開いて以来3年ぶりの開催。この間、コロナの渦に巻き込まれて開催するかどうか役員・執行部は大変悩んだ。本日は福井県の新理事長に就任した大壁氏に講演をお願いした。大壁さんのところはガラスの素材をインターネットで販売している会社。私たちの商売の参考になればと思っている」とあいさつした。
 宮代氏は全硝連活動として主に①機能ガラス普及推進協議会を軸とした公立小中学校への合わせガラスの寄贈②10月10日の「窓ガラスの日」のPR―を紹介。寄贈事業では本年度は5月に全硝連近畿地区本部が主導し、岡山県備前市立片上小学校に防災安全合わせガラス134枚を寄贈した。宮代氏は「全国的にみると、災害時の避難場所ともなる体育館など学校施設の合わせガラスの普及率はわずか2.6%。97.4%は未導入で単板というのが実態だ」と指摘、寄贈事業を全国展開する必要性を強調した。
 「窓ガラスの日」については「今年はラジオ広告ではなく、毎日新聞に一面広告を掲載した。皆さんと一緒になって防災安全合わせガラスをPRしていきたい」と述べた。
 次いで、来賓の板硝子協会専務理事の伊東弘之氏が挨拶に立ち、先に政府が公表した総合経済対策に関連し「対策にはガラス業界にとっての追い風がいっぱい。既存住宅の開口部のリフォームに対する環境省、経産省、国交省などの補助支援事業の熱意には近年にないものがある。開口部の改修は本当に盛り上がっている。中でも国交省の『こどもみらい住宅支援事業』は年末の補正予算で後継事業が盛り込まれる。住宅や学校施設の防災・減災対策も強化される見通しだ」と述べた。
 来賓の全硝連相談役の辻良明氏(前全硝連会長)は大阪市と大阪府板硝子商工業協同組合が10月7日に締結した「災害時における板硝子設備等の応急復旧作業に関する協定」(防災協定、ガラス新聞10月31号に詳報)に触れ、「これから全国各地で協定ができたら」と述べた。宮代会長も10月5日の第2回理事会で「今後、各地域で実行してほしい」と防災協定に期待感を示している。
 大阪の協定締結については会議の中で大村副会長が改めて詳しく説明。大村氏はさらに近畿ブロックが作成した「防災安全合わせガラス寄贈工事標準マニュアル」について「皆さん、いつでも利用してください」と呼びかけた。
 議題の報告事項では、宮代氏が機能ガラス普及推進協議会の活動状況を、中村専務理事は令和4年度登録硝子工事基幹技能者講習の現状を、それぞれ説明した。全硝連青年部会長に就任した桂川茂昭氏(東京都理事)は「横のつながりが増してきたと感じる。貴重な会と思っている」と報告した。
 検討事項では、ガラスの値上げ並びに配送料の件などについて意見交換した。懸案の配送料に関してはアンケート結果を基に副会長の古田昭人氏(東京都理事長)が「全国的に差があり、特に地方が高い。卸と話をしたらいいかと思う」と助言した。一般事項では、和歌山県理事長の小室哲也氏が各種補助金に関連して「(高機能ガラス導入には)義務化が必要。政治家を顧問に迎えて全硝連政治連盟のような組織をつくったらどうか」と問題提起。これに対し板硝子協会の伊東氏は「諸刃の刃。慎重に検討した方がいい。そして、(高機能ガラスの)普及率を上げることが義務化の一歩」との見解を述べた。
 講演では、大壁氏が自身で立ち上げたインタータネット販売の会社(福井市、OOKABE GLASS㈱)について「スタッフは全部で62人。平均年齢は29.5歳で女性が半分以上。毎年、4~5人採用しています。スタッフ15人でコールセンターを運用。一日に300件を超える問い合わせがあります。Bto C販売で大切なことは、わかりやすさ、親切・丁寧さ、レスポンスの三つに尽きます」と話した。
 理事長会議は古田副会長の閉会の辞で閉幕した。
    ◇
 午後6時に開会した懇親会では、太田吉則常務理事(愛知県理事長)が司会を務めた。宮代氏の挨拶の後、来賓の経産省四国経済産業局製造産業・情報政策課長の松坂茂氏、板硝子協会の伊東氏、全国卸組合連合会の坂東大理事、全国工事組合の橋本和明会長、全硝連相談役の辻氏の5氏を紹介。松坂氏、坂東氏、橋本氏があいさつした。伊東氏の発声で乾杯し、愛媛県組合の森貞健二氏が中締めし散会した。

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