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東北3組合、合同新年会を開催

2023.03.06

合同講演会
挨拶する大久保氏
伊東氏
佐藤氏
大利氏
志賀氏(中央)の音頭で乾杯
 東北板硝子卸商業組合、全硝連東北地区本部、東北板硝子工事協同組合の3団体は2月20日(月)、仙台市青葉区のパレスへいあんで、3年ぶりに令和5年「合同講演会・安全祈願・賀詞交歓会」を開催した。来賓を含め40人余が参加した。
 最初の講演会は午後4時から5階エトワールホールで行われた。東北卸の大久保章宏理事長(山形)による挨拶の後、板硝子協会の伊東弘之専務理事が「カーボンニュートラル達成に関する政策動向」と題し講演した。
 大久保氏は講演のテーマとなったカーボンニュートラルについて「CO2削減ともども大変な問題と実感している。観光立県を目指す山形では温暖化で名物の樹氷が2050年にはなくなるとの予測もある。我々は自分たちのできることからまずやっていくことが必要だ」と述べた。
 また、紙の手形廃止や今秋のインボイス制度導入を引き合いに「業界も大変な時期を迎える。物価の値上がりも続くだろう。情報を交換し、より良いガラス業界をつくるために3組合一丸となってこの一年を乗り切っていこう」と呼びかけた。
 伊東氏は講演の冒頭、「25年間任意団体だった板硝子協会は今年4月1日付で一般社団法人に移行する」と紹介。同協会の概要を説明した後、補助金など国交省、文科省、経産省、環境省を主対象としたロビー活動に触れ、政策決定・予算化の流れの中では次年度予算の内部検討を始める4~6月が重要と指摘。「皆さん、要望があればそれまでに」と要請した。
 板ガラス産業のカーボンニュートラルへの取り組みでは昨年策定した「2050年に向けた基本方針」を説明。住宅・建築物開口部の断熱化による貢献については「今後は既存住宅の省エネリフォームをどうするかが問われる」と述べた。
 今年の課題では一番目に、「国の先進的窓リノベ事業・こどもエコすまい支援事業を利用した既存建物の開口部断熱改修の劇的促進」を挙げ、「業界を挙げて実績をつくる」と訴えた。
 二番目は「防災安全合わせガラス・防犯ガラスの機能をアピールし、エコガラスに付加した普及促進」。伊東氏は「フィリピン・マニラで摘発された『ルフィー』の影響で、(防犯ガラスに対する)問い合わせが殺到している。機能アピールを言い続けなければならない」と述べた。課題ではそのほか、「製造時CO2排出削減新技術の開発促進」と「廃板ガラス製品リサイクルシステムの検討開始」を挙げた。
   ◇
 講演会の後、参会者は8階神殿で安全を祈願し、5時半から5階ボヌールホールで開宴した対面による立食形式の賀詞交歓会に臨んだ。
 全硝連東北地区本部長の佐藤浩二氏(宮城)は主催者を代表し「3年ぶりに開催でき、たくさんの方に参加していただいて嬉しく思います。ありがとう」と謝意を述べ、続いて「ガラス業界は大変厳しい状況にある。ただ、どのような形であれ前に進んでいかなくてはならない。肩書こそ付いているが、私一人では何もできない。ここにいる方々の横と縦のつながりを活用し、皆で情報を交換して乗り越えていきたい」とあいさつした。
 来賓代表のAGCグラスプロダクツ北海道・東北営業部長の大利康裕氏は「非住宅部門でも2019年ごろからLow―E複層ガラス化率が急激に伸びている。今後、カーボンニュートラルの広がりとともにますます伸びていくだろう。ビジネスモデルの変化もあり、3組合の役割は大きい。我々メーカーも情報を提供し、皆さんの力になりたい」と祝辞を述べた。
 新年会はYKK AP住宅東北支社長の志賀一徳氏の音頭で乾杯して懇談に移り、東北工事理事長の原田尚樹氏(宮城)による中締めで散会した。講演会、新年会ともに東北卸の藤井健専務理事(秋田)が司会を務めた。

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