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まだ余裕?「先進的窓リノベ事業」 補助金申請額の割合9月1日現在、戸建て60% 集合65%

2023.09.04

 当初7月で予算を消化し切ってしまうかもわからないと言われていた「先進的窓リノベ事業」。補助金の額が大きいこともあって、全国的に利用者が殺到している状況だ。
お盆休み明け以降は、少し消化スピードが鈍化してきているようで、9月1日午前10時現在で、戸建て住宅(予算の上限が900億円:経済産業省事業)の申請額の割合が60%、集合住宅(予算の上限が100億円:環境省事業)が65%となっており、1日あたりの上昇率からみると、12月末の期限内に予算の上限に達するかどうかという状況だ。
 そういう背景があってか、流通店の皆さんの意見を聞くと、補助金事業の受注を再開する動きがみられる。一時、一般消費者の間で、補助金事業をやっている販売店が少なく、補助金難民みたいな方がいるような話を耳にしたことがある。その影響か、逆に受注活動を継続していた販売店には「仏様に見えた」という一般消費者からの話も聞いたことがあった。「7月に予算がなくなるかも」という情報を得ていた販売店が多く、受注活動を控えていた販売店が多かったということか…
 しかし、ここにきて、まだ予算に余裕がありそうだということで、販売店の中でも、受注活動を再開する動きがみられる。また、大手ホームセンターでも受注活動を再開しましたとHP上に記しているところもあった。
 肝心の商品である内窓の納期も当初90日ということであったが、ここにきて急速に改善しつつあり、8月23日現在の各サッシメーカーの発表は次の通りで、かなり改善しつつあるようだ。

サッシメーカー3社の内窓納期 大幅に改善
実働で1か月強に

 サッシメーカー3社は、8月21日(月)~23日(水)にかけて、内窓の納期状況について発表、各社とも納期状況は改善する方向で実質、実動で1カ月強まで回復したと説明している。
 ㈱LIXILは、8月21日付でリフォーム窓内窓「インプラス」について「現在も納期回復に向け全力で努めており、ご注文を頂いてから出荷まで、最大で約3ヶ月の状況から、8月21日現在、49%ほど回復している状況」と発表。
 三協立山㈱・三協アルミ社も、8月21日付で後付樹脂内窓「プラメイクEⅡ」の納期状況を、「注文を頂いてから出荷まで、最大で約3ヵ月の状況から、8月21日現在、60%ほど回復している状況」と公表した。
 YKK AP㈱については、8月23日付で「マドリモ内窓プラマードU」の納期状況について、「ご注文を頂いてから出荷まで、最大で約3ヶ月の状況から、8月23日現在で、44%ほど回復している状況」と説明している。
 昨今の省エネへの関心の高まりや、先進的窓リノベ事業を始めとした補助制度により、窓リフォームの需要が想定以上に増えていることを受け、内窓製品の納期に遅れが発生していた。
 各社とも出荷後については、取引先の状況によるところもあるが、一日でも早く正常化するよう、引き続き努めていくとしており、理解を求めている。      
☆   ☆  ☆
 国の方でも、いつまで大丈夫とは予算上のことなのではっきりとは言わないが、数字上では確かにまだまだいけそうだ。工事の日程をきちんと把握していれば、まだ大丈夫。販売店の皆さんぜひチャレンジし、予算を使い切って次の補助金制度に繋げて欲しい。

 次年度の概算要求額は1484億円

 一方、令和6年度予算の動きをみると、本年8月23日に総理大臣官邸2階小ホールで開催されたGX実行会議(第7回:議事は「我が国のグリーントランスフォーメーション実現に向けて」)の資料内容をみると、資金使途に断熱窓の導入等という項目が掲げられており、既存住宅の高断熱窓や高効率給湯器(ヒートポンプ等)の導入支援で1484億円の概算要求額となっている。次年度の補助金事業もさらにエンジンが加速しそうだ。

☆「先進的窓リノベ事業」とは
 先進的窓リノベ事業とは、経済産業省と環境省が行っている既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることにより、断熱窓への改修工事による即効性の高いリフォームを推進する事業。対象となる工事内容には、ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法、はつり工法)がある。工事請負契約日の期限は遅くとも本年12月31日まで。一戸当たりの補助上限金額は200万円まで。

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