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福井硝協 事務局長に県庁OB

2024.04.22

大壁理事長(左)と三上事務局長

 福井県板硝子商協同組合(大壁勝洋理事長)は、このほど組合事務局長に、福井県庁職員OBの三上茂輝氏を迎えた。小売組合の事務局長に行政機関出身者が就任するのは非常に稀なケースで、過去にもあまり例を見ない。

 4月8日(月)の事務局長着任を前(取材は4月6日)に、大壁理事長と三上事務局長にお話を伺った。

     ◇

 ―早速ですが、大壁理事長に伺います。県庁OBの三上さんを事務局長に迎えられた経緯と目的をお聞かせください―

 大壁 まず、組合として行政の建物を断熱化していきたいという思いがあります。行政に働きかけようと考えても、どこに話を持って行ったら良いか、分かりにくい。そこで、行政のことを良く分かっているOBの方を組合に迎えようと考えました。県庁の人事部に「OBの方を組合に」との話を持って行ったのが1年前です。今回ようやく、三上さんに来ていただけることになりました。

 ―続いて、三上さんに伺います。県庁では、どのようなお仕事をなさっていらっしゃったのですか?―

 三上 県庁に所属していましたが、直近は県庁から県立大学の総務部で副部長を務めていました。

 ―大学にいらっしゃったのですね。今回、ガラスの組合へというお話を聞かれて、どのように思われましたか?―

 三上 県庁のOBが県内の組合に行くケースがあることは聞いていましたし、どのような所に行くかも知っていました。ただ、ガラスの組合という所は初耳でした。「板ガラス?」というのが第一印象です。ただ、県内の産業振興という意味では、従来の先と変わらないので、貢献できそうな場所だなと思いました

 ―小売組合の規模で、県庁出身の方を事務局長に迎えるといったお話は、知る限りではなかったように思います。大壁理事長が三上さんに期待されることは何でしょうか?―

 大壁 断熱化は、国、地方を問わずやらなければならないことです。福井県は新幹線もつながり、インバウンドの受け入れも今後進んでいきます。空き家対策として、空き家を断熱化し、宿泊施設にしてインバウンドを受け入れるといったことを行うにしても、県内の建物や文教施設の断熱化を進めるにしても、行政と連携をすることはとても重要です。建物を中心に県内を良くしていく事は、組合の存在価値を高めることになります。今回、三上さんに来ていただいて一番期待することは、その人脈を使って断熱をPRできる場や、断熱に対する組合の活動を知ってもらう場を広げていくことです。

 ―県庁をはじめ、行政の方々へ、断熱を知ってもらう機会づくりでしょうか?―

 大壁 そうです。今、組合では窓断熱の体験ルームを福井駅の近くに作っています。4月中にはオープンします。それぞれ単板ガラスの窓、ペアガラスの窓、内窓付きの窓を付けた小部屋を用意し、その外側で冷気を発生させることで、外気と室内の温度差を体感できる、そうした場所を常設します。三上さんには、この体験ルームを県庁の職員に紹介してもらい、更には体験してもらえるように声掛けをしてもらう。そんなことも考えています。

 ―今の理事長のお話を聞いて、どのように感じられましたか?―

 三上 個人的には、組合などの知名度向上に関わることができるのは、有難いことだと思っています。そして、プレッシャーも感じています。行政としても、個人としても、断熱ことや組合の活動については良く知らなかった部分があります。そこを補完して、知ってもらう機会を増やすことは重要なことです。社会的意義もありますし、ゼロカーボンへ向けた取組みとして必要なことだと考えています。

 ―三上さんにかかる期待は、大きなものだと思います。是非とも、業界にためにもお力を発揮していただきたく思います。最後に、全国板硝子商工協同組合連合会の全国理事長会議、今年は福井県で開催されると伺いました。意気込みや、開催地としてのPRなどがあればお願いします―

 大壁 昨年の全国理事長会議で、宮代会長から「次回は福井県で」と聞いたときは、驚きました。福井県のキャッチコピーは「地味にすごい、福井」ですが、新幹線も開通して駅周辺もにぎやかになりました。全国理事長会議は皆様に福井県を知ってもらう良い機会と考えていますし、開催できることを嬉しく思っています」

 三上 理事長会議は11月と聞きました。その頃には、「越前かに」も解禁になっています。旬のかにをご賞味いただければと思います。

 大壁 活発な論議の後には、美味しい食事を楽しんでいただければと思います。福井県での会議に、各組合から多くの方がご参加いただけることをお待ちしています。

 ―お忙しい中、ありがとうございました。福井県のチャレンジを、応援させていただきます。本日はありがとうございました。

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