日本板硝子 連結売上高8325億円
2024.05.27
日本板硝子㈱は、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)決算を発表した。
連結の売上高は8325億3700万円(前年同期比9.0%増)、営業利益358億6000万円(同3.0%増)、税引前利益175億9700万円、当期利益109億3000万円、親会社の所有者に帰属する当期利益106億3300万円となった。
個別の売上高は1091億5900万円(前年同期比12.9%)、営業利益25億1800万円(同394.7%増)、経常利益7億5600万円(同93.9%減)、当期純利益21億3000万円(同84.0%減)。
セグメント別の概況は次の通り。
○建築用ガラス事業の売上高は3718億円(前連結会計年度は3659億円)、営業利益は291億円(同336億円)となった。欧州と北米市場では減速し、日本、南米市場及び太陽電池パネル用ガラスでの好調により一部相殺したものの、売上高は前年度と同水準で営業利益は下回った。
○自動車用ガラス事業の売上高は4176億円(同3547億円)、営業利益は113億円(同は41億円)となった。販売数量は、サプライチェーンの問題による制約が解消した結果、取引先における生産が回復し、多くの地域で増加した。
○高機能ガラス事業
高機能ガラス事業の売上高は399億円(同388億円)、営業利益は71億円(同87億円)となった。需要は事業によって濃淡があるものの、全体の売上高はわずかに改善した。営業利益は、一部の事業で市場環境が悪化し投入コストの増加を販売価格に転嫁できず、減少した。ファインガラス事業は、販売構成が悪化したため売上高と営業利益が前年度比で減少。情報通信デバイス事業は、消費者需要の後退と取引先での在庫削減の影響によりプリンター用レンズの需要が減少した。エンジンのタイミングベルト用グラスコードは自動車関連市場の改善に伴い回復し、メタシャインの売上高は自動車塗料及び化粧品向けで増加した。
なお、2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の通期連結業績予想は、売上収益8400億円(前年同期比0.9%増)、営業利益370億円(同3.2%増)、税引前利益130億円(同26.1%減)、当期利益60億円(同45.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益40億円(同62.4%減)を見込んでいる。
決算に関する主な質問(抜粋)は次の通り。
Q1 2023年3月期の通期営業利益は業績予想から大きく上振れたが、主な要因は?
A1 主に自動車用ガラス事業の改善と燃料価格の低下によるもの。下半期、特に第4四半期においては半導体不足の影響が徐々に緩和され販売数量が増加し、価格改善交渉による販売価格の改善も期末にかけて進展した。また、急騰していた欧州の天然ガス価格がやや落ち着いたことも要因となった。
Q2 2024年3月期では、事業部ごとにそれぞれどのような想定をしているか教えて欲しい。
A2 建築用ガラス事業については2023年3月期ほどではないが比較的堅調に推移し、また太陽電池パネル用ガラスは販売数量増加を見込んでいる。自動車用ガラス事業も販売数量改善を見込んでいる。高機能ガラス事業については、IT市場の減速を受け特に上半期は軟調に推移すると見ている。
Q3 太陽電池パネル用ガラスにおいて、最大の顧客であるファーストソーラー社が米国で能力増強を検討中ということだが、どのように対応していくのか?
A3 対応については最終決定はなされていないが、既存の設備を転換するなど投資に対する効果が大きくなることを基本方針に対応を検討している。
Q4 2024年3月期において、ファーストソーラー社は増産を計画しているようだが太陽電池パネル用ガラスは堅調に推移する見込みか?
A4 太陽電池パネル用ガラスの販売数量は増加を見込んでいる。また、2024年3月期第3四半期にはマレーシアのソーラー設備が稼働を開始し、ファーストソーラー社の増産計画に対応する。