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鏡作神社「秋の例大祭」 機能ガラス普及推進協も参加 「鏡の日」をアピール

2025.11.10

業界人が集まり記念撮影
秋の例大祭
舞を奉納
宵宮祭
 「鏡作神社」と通称されている「鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにますあまてるみたまじんじゃ)」(奈良県磯城郡田原本町八尾816番地、辻忠雄宮司)は、毎年10月に秋の例大祭を開催している。
 今年も例年同様に10月26日(日)午前10時より開催され、鏡業界より、全日本鏡連合会の尾崎由雄会長、大阪府鏡工業協同組合から辻本豊三郎理事長らが参加、今回は「11月11日鏡の日」と「鏡作神社」の認知向上ため、機能ガラス普及推進協議会より深川祐一氏ら3名と板硝子協会加盟の国内板ガラス3メーカーの担当者らも出席、さらに地元卸組合から村島硝子商事㈱・村島靖基社長も参加。ガラス・鏡業界からは合計11名が参加した。多くの地元住民らも交え、同神社本殿において盛大に開催され、五穀豊穣とガラス・鏡業界の発展を祈願した。
 同例大祭は、辻本善治郎氏が大阪府鏡工業協同組合初代理事長に就任以来、鏡製作・販売に携わる業界の人たちが毎年参拝を重ね、神社の本殿を中心に、建物の改築・境内の清掃に協力するなど、地元の人たちとともに「鏡のシンボル神社」として尊び大切にし、鏡業界の発展・安寧を祈り現在まで続いている。また、拝殿や社務所の修復には、国内板ガラス3メーカーや鏡業界が協力して寄付金を納めている。
 例大祭当日の天気は雨の予報だったが、祭りの時間帯には雨は降らなかった。祭祀は、厳かな雰囲気の中で進められ、辻忠雄宮司が神殿に祝詞と玉串を捧げ、二人の巫女が舞を奉納、参列者全員で玉串を奉納するなど、古式ゆかしい儀式が続けられた。
鏡作神社は、古くから鏡鋳造の神として信仰されており、鏡・ガラス製造業界の他、美の神として技術向上を願う美容師や、鏡・ガラスを扱う各種業界の関係者も多く参拝している。また、「鏡の神」として崇拝されていることから、板ガラスメーカーの業界団体が「ガラスの神様」として鏡作神社を崇拝している。
 鏡作神社とガラス業界の関係は、戦前に起こった地震で拝殿が倒壊、戦後に拝殿を再構築したが、その際、辻本善次郎氏が国内板ガラス3メーカーや鏡業界に声をかけ、資金協力を求めた話も記念碑に記されている。
 また、例大祭終了後に行われた直会時に、辻宮司より、富雄丸山古墳で発見された3枚の鏡についても説明を受け、参加者らは熱心に耳を傾けていた。
前日の土曜日には、午後6時から8時すぎまで宵宮祭が執り行われ、拝殿では二時間以上にわたり、巫女らによる神楽奉納が斎行され、境内にはたくさんのあかりが灯された。ガラス・鏡業界からもたくさんの方が宵宮祭りにも参加した。
 ☆鏡作神社の歴史
鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにますあまてるみたまじんじゃ)は、「倭名抄」にもその名が見える由緒ある式内大社で、創建は第十代崇神天皇のころと伝えられている。三種の神器の一つ「八咫鏡(やたのかがみ)」を鋳造した地とされ、古代には鏡づくりを職とした鏡作部(かがみつくりべ)がこの地に居住し、鏡造りの粗神である石凝姥命(いしこりどめのみこと)をはじめ、天照国照彦火明命(あまてるくにてるひこほあかりのみこと)、天糠戸命(あめのぬかどのみこと)の三柱をお祀りしている。
 この神社には、「崇神天皇六年九月三日、この地で日御像の鏡を鋳造し、天照大神の御魂とした。今の内侍所の神鏡はこれである。本社はその試鋳の鏡を祀る」との伝承が残されており、まさに-′鏡づくりのゆかりの地と呼ぶにふさわしい場所。
また、古くから「鏡の神様としては全国で最も由緒の深い神社」とされ、境内の鏡池では鏡作師が身を清め、鏡づくりに臨んだといわれている。
 鏡池の前には、鏡石が祀られている。鏡石は、江戸時代に鏡池から出土したもので、古代に鏡を製作する際、鏡面を研磨する工程で使用された用具であったと考えられている(板硝子協会の資料より)。

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