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山形県サッシ・ガラス協同組合 布施秀夫理事長に聞く

2022.08.29

布施氏

 山形県サッシ・ガラス協同組合は先の令和4年度通常総会で新理事長に専務理事を8年間務めてきた布施英夫氏(山形市、㈱布施社長、65歳)を選出した。同組合は公立小中高校の窓断熱改修工事を毎年度共同受注するなどエコ窓普及にユニークな活動を展開している。布施氏に組合の現状と課題を聞いた。

 

―コロナの影響は。

「コロナ前に比べ活動は減っている。ただ、例えば、当組合が全国に先駆け業界で初めて資格を取得した『「環境マイスター』のフォローアップ研修会などは、リモートを含め定期的に続けてきている。一方、板ガラスメーカー、問屋、サッシ、シャッター業者を含めた山形支部の会員が月に一回集まってお酒を酌み交わしながら懇談する『20日会』は、残念ながら足掛け3年中止しました」

「コロナが収まれば、やはり顔を付き合わせた会合を開いていきたい。そうしないと話がなかなか通じない。新年度事業計画の基本方針には『我々業界は人との接触を無くしては仕事にならない…』と謳いました。収束せずとも、20日会ならお弁当形式の定例会にするとか、今でもやれる方法があれば取り入れていく。新任の山形支部長にも指示しています」

 

―役員人事について。

「今期は思い切って役員の若返りを図った。山形、置賜、庄内の各支部長と青年部長は皆50代以下。やる気のある人たちばかりです。そして、事業計画では若手の育成を最重点課題の一つに掲げました」

「具体的には、まず青年部を中心とした研修・講習会を充実させる。若い人にはガラスを切ったことがないという人がいっぱいいる。コーティング、フィルム貼りも外注。基本の基はこうだ―という作業手順を若い社員に教えないといけない。そのために後世に残せるDVDをつくります。技能検定試験対策としても有効です。資格が必要な時代。国家資格を取れば会社がレベルアップする。働き方も変わってきます」

「断熱改修に絞った研修会も実施します。窓の基準はどうなっているか。見積り、設計でも消費者にきちんと説明できる知識を共有することが大切です。組合のエコ窓推進事業部では省エネ性能説明義務化制度に対する講習会も行う。もちろん環境マイスターフォローアップ研修会は続けます」

 

―「エコ窓」は。

「当組合はエコ窓を学校施設に提案する『エコ・スクール構想』を検討し、この10年間、山形市の中学校や山形県庁舎の一部などにエコ窓を寄贈するとともに、温熱環境実証調査を我々の手で実践するなど様々な活動をしてきました。恒例の知事、市長や、その前段となる県議会議員、市議会議員に対する陳情活動も継続して実施しています」

「山形市では公立学校の教室や体育館の窓改修事業が定着しました。コロナ禍などで件数は減ったが、今でも毎年最低1件の学校の窓断熱改修工事を『共同受注』として組合に発注。基本的に競争入札だが、実質的には随意契約に近い形で発注してくれています」

「共同入札は1件としても消防、上下水道、汚水処理関係の外郭団体からの町場のガラス販売店への注文は確実に増えている。共同受注の情報を知って、入札でなく見積りだけで電話で発注してきます。また、山形市では学校を新築する場合、数年前からRow―E複層ガラスを採用してもらっています」

「改修面では窓の断熱のみならず、もう少し幅を広げて(行政に)提案していこうと思っています。窓を開け閉めするオペレーターの改修もその一つ。古い学校では壊れたまま放置しているところが多い。コロナ禍で換気が重要と叫ばれている折、大事な仕事です」

「一方、消費者個人からの改修に関する問い合わせが滅茶苦茶増えています。私の会社はMADOショップ山形北町店として窓、ドア、引き戸や玄関、エクステリア商品の修理・改修をやっていますが、この1年間で個人から百数件の注文があった。皆さん、インターネットを見て、会社を精査して電話してくる。従って受注率は高い。細かい修理でも、ついでの需要も出てくる。バカにできません」

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