一般社団法人 住宅開口部グリーン化推進協議会 スタート
2022.10.03
「一般社団法人住宅開口部グリーン化推進協議会」の設立総会が9月26日(月)東京都千代田区にあるKKRホテル東京で開催。その記者会見が同日午後4時より同ホテル10階で行われた、初代会長にマテックス㈱(本社=東京都)の松本浩志社長が就任したと発表した。記者会見では、冒頭に松本会長があいさつし、事務局長の長倉史晴氏が協議会の概要を説明した。
松本会長のあいさつは次の通り。
「会長を仰せつかりました松本です。無事設立総会が終わりまして、正式に承認をいただきました。いよいよ本格始動します。これから皆さんと一緒に考えて実行していくところです。なぜ、このタイミングでどういう狙いで設立したのかというとこのミッションは2050年のカーボンニュートラル社会の実現とその中間目標である2030年のカーボンハーフ、この実現に向けて私たち開口部業界が有効な策を持っている。まだまだ知恵を絞れば成しうることがたくさんあるのではないかということで、業界をあげて取り組んで行こうということが設立趣旨です」
「日本国内では、今ある既存住宅の約9割が現状の省エネ基準を満たしていない状況です。こうした喫緊の課題の解決に向けて、裾野が広い業界の特徴を力に変えるべく、会員の皆様と協働で普及・啓発活動を行い、次の世代に明るい未来を受け継げるよう努めてまいります。AGWの理念にご賛同いただける皆様のご入会と積極的な活動へのご参画をお待ちしております」とあいさつした。
この後、長倉事務局長が同協会の概要を次のように説明した。
「一般社団法人 住宅開口部グリーン化推進協議会(所在地=東京都中央区、松本浩志会長、英名Association for Greener residential Windows and doors、以下AGW」は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、喫緊の課題となる住宅分野の脱炭素化、特に開口部の省エネリフォーム等の住宅グリーン化に資する効果的な対策を進めるために、開口部を中心に調査・研究、政策提言、普及啓発等を行い住宅グリーン化実現のための活動を行うことを目的とした非営利の組織。
◼設立背景
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅分野における戦略的な脱炭素化が求められている。特に開口部の省エネリフォーム等の効果的な対策は、CO2の排出量を抑制するばかりではなく、人に、環境に、地域にとって持続可能な暮らしや社会づくりに資するライフスタイルの提案活動としても期待されている。
開口部リフォームを手がける法人や組織は、製造事業者、全国規模及び地域の流通事業者、施工事業者など多種多様であり、ガラス・サッシ販売店や建具店のような地域に根ざす多数の事業者が現場を支えている。
そこで、裾野が広い業界の特徴を力に変えるべく一致団結し、住宅分野の脱炭素化に向けて、AGWを設立する運びとなった。国の施策等情報を迅速かつ的確に発信していく活動や、開口部を中心に調査・研究、政策提言、政策実現のための協働等を推進するとともに、未来が歓迎する市場の創造と経済の活性化にも貢献していく。
◼事業内容
本協議会は目的を達成するために次の事業を行う。
⑴ 住宅グリーン化に関する環境への効果等に関する調査・研究
⑵ 住宅開口部のリフォームの様々な効果に関する調査・研究
⑶ 住宅開口部のリフォームによる性能評価方法の策定と普及活動
⑷ 住宅グリーン化に関する情報収集及び情報発信
⑸ 住宅グリーン化の課題に関する政府及び関係機関に対する提言
⑹ 住宅グリーン化に関する普及・啓発活動
⑺ 住宅グリーン化を実現するための人材育成
⑻ その他本協議会の目的を達成するために必要な事業
▽協議会概要
名称=一般社団法人住宅開口部グリーン化推進協議会
設立=2022年8月5日
所在地=東京都中央区日本橋小舟町8―13 天翔オフィス日本橋511
▽役員(敬称略)会長・松本浩志(マテックス)、▽副会長・田村光宏(LIXIL)同・奥谷和正(三協立山)、同・木村龍(不二サッシ)▽監事・渋谷和徳(LIXIL)
URL https://agwd.jp/
記者の目
今までの組織と違うところはサッシメーカーとガラス・サッシ流通が一つの組織の中に入ったこと。これまで国の補助金も新築重視だったのをリフォームにもこれまで以上に手厚く補助金を回してもらおうというように思えた。この組織が成功するには開口部の大部分を占めるガラスメーカーが加わらなければ意味がない。また、サッシメーカーもすべての企業が加入しているわけでもない。説明では現会員数は700名とのこと。流通が加わっている割には少なすぎる。これから本格始動ということなので、これまでにある組織とどのように異なるのか、今後の動きに注目したい。