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すべてのガラス・サッシの関係者事業者登録を カーボンニュートラルの達成へ 田中会長・理事長が意気込み語る

2023.03.13

 関東甲信越板硝子卸商業組合(田中廣理事長・全国卸会長)は、既報の通り、3月23日(金)午後3時より、東京都千代田区にあるビジョンセンター日比谷306で同組合員や全硝連などガラス業界関係者を対象とした「先進的窓リノベ」「こどもエコ」の勉強会を開催すると発表した。そこで、勉強会の主催者である田中会長・理事長に窓リフォーム事業に対する意気込みなどを聞いてみた。氏は「国が2050年に目標としているカーボンニュートラル達成のためにも、ガラス・サッシ等、『窓』に関わる人たちすべての業界関係者が事業者登録を目指し、国の事業を応援する」と力強く語ってくれた。
 ――今回、国は異次元とも思えるような、窓のリフォーム事業だけで1000億円もの予算を組んでいただきました。窓リフォーム事業に取り組むガラス流通業界の代表としてどのような感想をお持ちですか。
 「今回の補助金制度をみて、国が本気でカーボンニュートラルに取り組んでいるという姿勢がはっきりとわかりました。窓の主役はガラスです。我々はガラス業界をあげて、卸も小売店も一緒になって、これを達成しなければなりません」
 ――ガラス・サッシのメーカーでも勉強会や説明会を全国各地で開催しています。なぜ、卸組合として開催しようと思われたのですか?
 「メーカーさんの勉強会ですと、どうしても自社製品の話題が中心となります。例えばサッシメーカーさんですと、内窓や外窓交換などの話題が中心となります。私としてはガラス屋目線で、勉強会を開催したかった。今回の補助金制度を見ますと、どうしても内窓+Low―Eガラスの方に話が進みがちです。しかし、例えば、アルミ樹脂複合サッシが発売されて、もう20年以上も経過しています。ここに納められている複層ガラスをより高性能な断熱ガラスに交換すれば、ガラス交換でも先進的窓リノベ事業の補助金対象になるのです。『先進的』と名付けられているように、今までの基準よりさらに上を行くという発想が必要です。そういうガラス屋目線の勉強会を開催したかったからです」
 ――ガラス・サッシ流通段階では現在どれくらい事業者登録が進んでいると思われますか。
 「実際に調べたわけではありませんが、周りの話から想像すると、まだまだ低いように感じています。今月勉強会を開催するのも、依然として登録を終えていないガラス・サッシ販売店がたくさんいるのではないかと考えたからです。業界での事業者登録をさらに進めるため、勉強会を埼玉県熊谷市や長野県でも開催する予定です」
 ――なぜ少ない?
 「卸の会員はほぼすべて登録済だと思いますが、やはり、パソコンの扱いに慣れていない流通店が多いからではないでしょうか。各卸会員でも流通店向けに勉強会や説明会を開催しています。実際にパソコンによる流通店の事業者登録をお手伝いしている会員企業もあります。それとガラス・サッシ流通店ではエンドユーザーとの直取引であるBtoCより、従来型プロユーザー向けとの商売であるBtoBの取引が多く、事業者登録する必要を感じていないガラス・サッシ流通店がたくさんいるのではないかと思います」
 ――今、内窓のフレームや複層ガラスの生産が今回の大量受注で納期に後れをきたしています。流通としてメーカーにはどのような対策を求めていますか。
 「もともとガラスについては、都市再開発事業の需要があり、ガラスが不足することが考えられていました。そこに今回の補助制度で一度に受注が増えたわけですから、足りなくなるのは当たり前です。メーカーさんには、正直に、正しい情報を速く伝えて欲しいとお願いしています」
 ――今回の補助金制度で窓リフォーム事業はどれくらい膨らむと思いますか。
 「数字的には検証してみないとわかりませんが、今回の補助金予算は窓リフォーム事業の市場規模に匹敵するくらい出ているといわれていますから、相当数増えるものと予想されます。我々は工事も含めきちんと対応できる体制を作っておかなければなりません」
 ――私は今回の補助金制度はあまりにも手厚く考えられているので、この制度が終われば、窓リフォーム事業も萎んでしまうのではないかと危惧しています。
 「国は2050年までにカーボンニュートラル達成を本気で考えている限り、現在の補助金制度は、予算規模こそわかりませんが、今後も継続するとみており、これで、窓リフォーム事業が萎んでしまうとは考えられません。単板ガラスやアルミサッシが使われている窓は世の中にまだまだたくさんあります。ヨーロッパの基準を見ると、今の先進的窓リノベでいわれている基準が当たり前になっているのです。いずれは日本でも先進的窓リノベの基準が義務化されていくのではないかと考えています」
 ――ありがとうございました。ぜひみんなでカーボンニュートラル達成に向かっていきましょう。

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