令和4年度後期ガラス施工技能検定結果 1級合格者106人(合格率51・5%)、2級合格者55人(同56・7%)
2023.03.27
令和4年度後期ガラス施工技能検定結果が、3月10日(金)に全国の職業能力開発協会から発表された。
弊紙では、47都道府県の職業能力開発協会に取材をし、その回答をまとめている。
令和4年度の結果は、1級受検者が206人(前年200人)で、合格者は106人(同96人)、合格率は51・5%(同48・0%)。2級受検者は97人(同104人)で、合格者は55人(同56人)、合格率は56・7%(同53・8%)となっている。この中で、山形県は学科のみ開催との回答があった。また、3年連続で2級に2人の女性受検者(愛知県)があり、二人とも合格している。
総受検者数は、303人で、前年の304人から1人減少、総合格者数は161人で、前年の152人から9人増加した。全体の合格率は53・1%で、前年の50・0%から3・1ポイント上昇し、前年から持ち直している。
なお、1級・2級を合わせた全受検者が合格したのは石川県(1級2人・2級1人)のみ。一方、合格者0人は岩手県(1級1人・2級2人)、秋田県(1級2人、2級2人)、山形県(2級3人・学科のみ)、神奈川県(1級1人)、山口県(1級3人・2級1人)、愛媛県(1級3人・2級1人)の6県となった。
◇
今回の検定合格率は、1級、2級とも前年を上回った。1級は合格率50%台を回復、2級も55%を超える結果となり、合格率の低下に歯止めがかかった。受検者数も、1級は前年比6人増加、2級は同7人減少し、合計すると前年並みの推移と言えるだろう。新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せ始め、感染症法上の位置づけが5月8日に「5類」に移行することから、受検環境も以前の状況に戻りつつある。一方で、不透明な経済状況が続いている。こうした状況下で安定した生活を求めるために、資格は一つの武器となる。ガラス施工技能士資格を取得することで、「登録硝子工事基幹技能者」の受講資格や「建築キャリアアップシステム」への登録や「技能グランプリ」などの競技大会への出場も可能となり、仕事の幅を広げることにもつながる。新たな人材を業界に呼び込むためにも、資格取得の支援が重要さを増すだろう。
◇
職業能力開発協会からの回答でガラス施工技能検定試験が未実施との回答があった県は、千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、奈良県、徳島県、香川県、長崎県、大分県の11県(前年は千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、徳島県、香川県、長崎県の9県)で、前年から2県増加した。この中で、岐阜県は10年連続、山梨県は11年連続、香川県は12年連続して、検定試験を実施していない。しかし、今年は静岡県から1人が、愛知県で越境受検(学科のみ)したことが判明している。
なお、山形県からは学科のみ実施したとの回答が寄せられた。
現在、全国板硝子商工協同組合連合会を脱退・休会している県の多くが検定未実施県と重なっている。これらの県では、検定に対する関心の低下や、受検に向けた体制づくりが困難になっていることが予想される。今回、結果を非公開として回答した静岡県は、非公開の理由を「実施協力団体が無いため」と説明した。本年も、静岡県の受検希望者が愛知県で越境受検(学科のみ)したことが確認されているが、組合不在の県における検定受検のサポート体制の早急な確立されなければ、業界はさらに先細っていくのではないだろうか。
◇
弊紙では毎年、女性技能士増加の重要性を指摘しており、女性の受検者・合格者を別途集計している。今年は愛知県で2人が2級を受検者し、共に合格した。建設業界全体で、女性の就業者を増やす取り組みを進めている中で、良い流れだと思われる。
しかし、今回の調査では岡山県が女性受検者・合格者の数は非公表、熊本県からは、受検者の性別は不明との回答がなされた。熊本県は受験票の性別記載を廃止したためとしており、性的マイノリティへの配慮があるものと思われる。内閣府の男女共同参画局ワーキンググループの取りまとめにおいても、「性別記入欄の是非だけに留まらない議論が重要と考える」との記載があり、厚生労働省も履歴書の「性別欄の男女の選択肢」を廃止した様式例を公開している。ガラス業界も近い将来LGBTの対応を求められるようになる。今から、こうした問題への取組や対応の検討に入るべきだと思われる。
弊紙では、47都道府県の職業能力開発協会に取材をし、その回答をまとめている。
令和4年度の結果は、1級受検者が206人(前年200人)で、合格者は106人(同96人)、合格率は51・5%(同48・0%)。2級受検者は97人(同104人)で、合格者は55人(同56人)、合格率は56・7%(同53・8%)となっている。この中で、山形県は学科のみ開催との回答があった。また、3年連続で2級に2人の女性受検者(愛知県)があり、二人とも合格している。
総受検者数は、303人で、前年の304人から1人減少、総合格者数は161人で、前年の152人から9人増加した。全体の合格率は53・1%で、前年の50・0%から3・1ポイント上昇し、前年から持ち直している。
なお、1級・2級を合わせた全受検者が合格したのは石川県(1級2人・2級1人)のみ。一方、合格者0人は岩手県(1級1人・2級2人)、秋田県(1級2人、2級2人)、山形県(2級3人・学科のみ)、神奈川県(1級1人)、山口県(1級3人・2級1人)、愛媛県(1級3人・2級1人)の6県となった。
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今回の検定合格率は、1級、2級とも前年を上回った。1級は合格率50%台を回復、2級も55%を超える結果となり、合格率の低下に歯止めがかかった。受検者数も、1級は前年比6人増加、2級は同7人減少し、合計すると前年並みの推移と言えるだろう。新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せ始め、感染症法上の位置づけが5月8日に「5類」に移行することから、受検環境も以前の状況に戻りつつある。一方で、不透明な経済状況が続いている。こうした状況下で安定した生活を求めるために、資格は一つの武器となる。ガラス施工技能士資格を取得することで、「登録硝子工事基幹技能者」の受講資格や「建築キャリアアップシステム」への登録や「技能グランプリ」などの競技大会への出場も可能となり、仕事の幅を広げることにもつながる。新たな人材を業界に呼び込むためにも、資格取得の支援が重要さを増すだろう。
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職業能力開発協会からの回答でガラス施工技能検定試験が未実施との回答があった県は、千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、奈良県、徳島県、香川県、長崎県、大分県の11県(前年は千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、徳島県、香川県、長崎県の9県)で、前年から2県増加した。この中で、岐阜県は10年連続、山梨県は11年連続、香川県は12年連続して、検定試験を実施していない。しかし、今年は静岡県から1人が、愛知県で越境受検(学科のみ)したことが判明している。
なお、山形県からは学科のみ実施したとの回答が寄せられた。
現在、全国板硝子商工協同組合連合会を脱退・休会している県の多くが検定未実施県と重なっている。これらの県では、検定に対する関心の低下や、受検に向けた体制づくりが困難になっていることが予想される。今回、結果を非公開として回答した静岡県は、非公開の理由を「実施協力団体が無いため」と説明した。本年も、静岡県の受検希望者が愛知県で越境受検(学科のみ)したことが確認されているが、組合不在の県における検定受検のサポート体制の早急な確立されなければ、業界はさらに先細っていくのではないだろうか。
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弊紙では毎年、女性技能士増加の重要性を指摘しており、女性の受検者・合格者を別途集計している。今年は愛知県で2人が2級を受検者し、共に合格した。建設業界全体で、女性の就業者を増やす取り組みを進めている中で、良い流れだと思われる。
しかし、今回の調査では岡山県が女性受検者・合格者の数は非公表、熊本県からは、受検者の性別は不明との回答がなされた。熊本県は受験票の性別記載を廃止したためとしており、性的マイノリティへの配慮があるものと思われる。内閣府の男女共同参画局ワーキンググループの取りまとめにおいても、「性別記入欄の是非だけに留まらない議論が重要と考える」との記載があり、厚生労働省も履歴書の「性別欄の男女の選択肢」を廃止した様式例を公開している。ガラス業界も近い将来LGBTの対応を求められるようになる。今から、こうした問題への取組や対応の検討に入るべきだと思われる。