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全国卸・田中廣会長に聞く  窓リフォーム事業をさらに拡大するには、広く情報浸透が必要

2024.04.08

田中廣会長

 昨年、盛況裡に終えた三省連携(経済産業省、)国土交通省、環境省)の「住宅省エネ2023キャンペーン」。今年も同様に住宅省エネリフォーム支援「住宅省エネ2024キャンペーン」としてスタートし、ガラス・サッシ業界では、更なる窓リフォーム事業拡大に拍車がかかると期待する。そこで今回は流通を代表して、全国板硝子卸商業組合連合会の会長を務める田中廣氏に「窓リフォーム事業」の動向についてお話を伺った。

――「住宅省エネ2024キャンペーン」が本年もスタートしましたが、昨年と比較して動きが鈍いように感じます。会長はどのように考えておられますか?

 「私は、それほど心配はしていません。昨年は、窓リフォーム事業にとって、あれほど大きな補助事業としては初めての経験でしたので、予算が無くなるといけないということで、皆さん一斉に走り出しましたが、今年は一度経験されていますし、また、今は端境期と考えられますので、これから動き始めるものと思います。事実、流通各社の皆さんにお話を聞きますとマンションの大規模改修工事等の話もきています。これから本格的に動き出すと見ています」

――前回の時は卸組合としても勉強会などを開催して、小売店向けに情報伝達に務めたと思いますが……今回はあまりみられない感じがします。

 「東京都の小売組合とも話し合いをしましたが、昨年一度経験しているので、新たな勉強会はいらないのではないかという意見がでていました。もちろん拡販方法については、勉強会開催は必要ですので、メーカー・流通各社では、おやりになっていると認識しています」

――私は、今回の補助金制度について、一般消費者にはあまり知られていないのではないかと感じています。

 「前回の補助金制度では、ガラス・サッシ業界に近い人たちや省エネ意識の高い人たちが、制度を活用したのではないかと考えています。それは、情報が広く浸透しなかったからだと考えます。昨年は初めてだったので、途中で予算がなくなるかもという噂が流れたり、また、内窓等の納期も大幅に遅れたこともあり、広く勧めるのも躊躇ったことが考えられます。販売店さんの中でも省エネ意識の高いところは、今年も、活動を進めていると思います」

――窓リフォーム事業は、待ちの営業ではなかなか動かないと思います。この補助事業が終了しても普通に窓リフォーム事業として動いていくには流通としてどうすればよいかと思われますか?

 「今はまだその時期に達していませんが、エコ窓が爆発的に広まり、普通のこととして広まっていくには、私は、情報が幅広く関係先に浸透し、窓リフォームの事業は、ガラス店、サッシ店はもちろん、リフォーム業者、ホームセンター、家電量販店等、どこでも扱うようになることが肝要かと考えます。昨年度は補助金効果で窓リフォームが増えましたが、それでも全体の1%しか改修は進んでいないのです。1000億円程度の予算額では全体からするとまだまだ小さな規模と言わざるを得ません。窓リフォームを事業として爆発的に広めないと、商売としてだけでなく、2050年までにカーボンニュートラルを達成するということは難しくなってきます」

――もっと情報をオープンにし、多くの関係先が窓リフォーム事業に関係できるようにしないと、今のままでは、2050年までにカーボンニュートラルの達成は難しいということですね。よくわかりました。ありがとうございました。

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