令和3年度後期 ガラス施工技能検定合格者数
2022.03.28
令和3年度後期ガラス施工技能検定結果が、3月11日(金)に全国の職業能力開発協会から発表された。
弊紙では、47都道府県の職業能力開発協会に取材をし、その回答をまとめている。
令和3年度の結果は、1級受検者が200人(前年177人)で、合格者は96人(同95人)、合格率は48.0%(同53.7%)。2級受検者は104人(同120人)で、合格者は56人(同76人)、合格率は53.8%(同63.3%)となっている。この中で、北海道の2級受検者2人は、学科のみ受検との回答があった。また、2年連続で2級に2人の女性受検者(愛知県、大阪府)があり、いずれも合格した。
総受検者数は、304人で、前年の298人から6人増加、総合格者数は152人で、前年の171人から19人減少した。全体の合格率は50.0%で、前年の57.4%から7.4ポイント低下し、前年と比較して低調な結果となった。
◇
1級の受検者が2ケタの所は7都府県で、前年の5都県を上回った。受検者数が最も多かったのは、埼玉県と福岡県の17人(前年は東京都の19人)。2級受検者数は、愛知県の12人(前年は愛知県と鹿児島県の11人)が最も多い。総受検者数は、愛知県の28人(前年は東京都と愛知県の27人)が最多で、次いで大阪府の24人。受検者が20人を超えたのは、この2府県のみだった。
◇
1級合格率100%は、青森県(5人)、岩手県(2人)、宮城県(5人)、秋田県(1人)、石川県(4人)、福井県(3人)、兵庫県(3人)、奈良県(1人)、大分県(1人)、宮崎県(1人)の10県(前年は茨城県、石川県、長野県、佐賀県、大分県の5県)。2級合格率100%は、北海道(2人・学科のみ)、青森県(2人)、岩手県(4人)、秋田県(1人)、神奈川県(1人)、石川県(2人)、長野県(3人)、京都府(1人)、奈良県(1人)、鳥取県(1人)、高知県(1人)の11道府県(前年は秋田県、栃木県、群馬県、富山県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県の8府県)となっている。
また、青森県、岩手県、秋田県、石川県、奈良県、は1級と2級を合わせた受検者が全員合格しており、中でも青森県は7人(1級5人、2級2人)、岩手県は6人(1級2人、2級4人)全員が合格した。一方、福島県(1級2人、2級4人)、富山県(1級・2級各1人)、和歌山県(1級3人、2級1人)、島根県(1級・2級各2人)は、合格者0人と厳しい結果が出た。
◇
職業能力開発協会からの回答でガラス施工技能検定試験が未実施との回答があった県は、千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、徳島県、香川県、長崎県の9県(前年は千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、奈良県、徳島県、香川県、長崎県、熊本県の11県)で、前年から2県減少した。この中で、岐阜県は9年連続、山梨県は10年連続、香川県は11年連続して、検定試験を実施していない。しかし、今年も岐阜、三重の両県から計3人が、愛知県で越境受検していることが判明している。北海道の「学科のみ開催」も、来年以降北海道の外で実技を受検する可能性があるだろう。
現在、全国板硝子商工協同組合連合会を脱退・休会している県は、福島県、茨城県、千葉県、山梨県、静岡県、三重県、滋賀県、鳥取県、山口県、徳島県、香川県、高知県、長崎県、宮崎県で多くが検定未実施県と重なっている。これらの県では、検定に対する関心の低下や、受検に向けた体制づくりが困難になっていることが懸念される。これらの県に対するPRや、受検希望者へのケアを行わなければ、受検希望者が受検をあきらめるケースも出てくるのではないだろうか。
◇
今回の検定合格率は、1級、2級とも前年を下回る低調な結果で、特に東京都、愛知県、大阪府といった都市圏での1級合格率低下が目立つ。
ある検定担当者は「受検者のレベルが年々低下している」と指摘。その理由を「現場での実務経験はあっても、その経験の多くは施工経験で、ガラスを切る経験は少ない。最近は完成品が多く、現場でガラスを切って調整するような機会が無いことの影響があるのではないか」と分析している。同様の意見が各地の訓練校講師や検定委員からも上がっている。現場で求められる技術が変化する中で、ガラスを切る技術の継承が困難な時代になってきたのかもしれない。
また、2年連続で女性の受検者が2人あった。愛知県と大阪府で2級を受検しており、いずれも合格している。建設業界全体で、女性の就業者を増やす取り組みを進めており、女性の技術者や技能者も増加中と言われているが、全産業から比べると、まだまだ少ない状況と言える。業界として、女性向けにガラス施工技能士の魅力を発信し、先入観なく業界を見て貰えるよう、アピールを継続する必要があるだろう。
◇
今回の受検者数は、前年から微増した。新型コロナウイルス感染症が拡大し、一部地区ではまん延防止等重点措置が発令される中で試験が行われるなど、受検環境は厳しい状況が続いている。市況も落ち着きを見せない中で、安定した生活を求めるうえで資格は一つの武器となる。ガラス施工技能士資格を取得することで、「登録硝子工事基幹技能者」の受講資格や「建築キャリアアップシステム」への登録や「技能グランプリ」などの競技大会への出場も可能となり、仕事の幅を広げることにもつながる。新たな人材を業界に呼び込むためにも、資格取得の支援が重要になる。
弊紙では、47都道府県の職業能力開発協会に取材をし、その回答をまとめている。
令和3年度の結果は、1級受検者が200人(前年177人)で、合格者は96人(同95人)、合格率は48.0%(同53.7%)。2級受検者は104人(同120人)で、合格者は56人(同76人)、合格率は53.8%(同63.3%)となっている。この中で、北海道の2級受検者2人は、学科のみ受検との回答があった。また、2年連続で2級に2人の女性受検者(愛知県、大阪府)があり、いずれも合格した。
総受検者数は、304人で、前年の298人から6人増加、総合格者数は152人で、前年の171人から19人減少した。全体の合格率は50.0%で、前年の57.4%から7.4ポイント低下し、前年と比較して低調な結果となった。
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1級の受検者が2ケタの所は7都府県で、前年の5都県を上回った。受検者数が最も多かったのは、埼玉県と福岡県の17人(前年は東京都の19人)。2級受検者数は、愛知県の12人(前年は愛知県と鹿児島県の11人)が最も多い。総受検者数は、愛知県の28人(前年は東京都と愛知県の27人)が最多で、次いで大阪府の24人。受検者が20人を超えたのは、この2府県のみだった。
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1級合格率100%は、青森県(5人)、岩手県(2人)、宮城県(5人)、秋田県(1人)、石川県(4人)、福井県(3人)、兵庫県(3人)、奈良県(1人)、大分県(1人)、宮崎県(1人)の10県(前年は茨城県、石川県、長野県、佐賀県、大分県の5県)。2級合格率100%は、北海道(2人・学科のみ)、青森県(2人)、岩手県(4人)、秋田県(1人)、神奈川県(1人)、石川県(2人)、長野県(3人)、京都府(1人)、奈良県(1人)、鳥取県(1人)、高知県(1人)の11道府県(前年は秋田県、栃木県、群馬県、富山県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県の8府県)となっている。
また、青森県、岩手県、秋田県、石川県、奈良県、は1級と2級を合わせた受検者が全員合格しており、中でも青森県は7人(1級5人、2級2人)、岩手県は6人(1級2人、2級4人)全員が合格した。一方、福島県(1級2人、2級4人)、富山県(1級・2級各1人)、和歌山県(1級3人、2級1人)、島根県(1級・2級各2人)は、合格者0人と厳しい結果が出た。
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職業能力開発協会からの回答でガラス施工技能検定試験が未実施との回答があった県は、千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、徳島県、香川県、長崎県の9県(前年は千葉県、山梨県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、奈良県、徳島県、香川県、長崎県、熊本県の11県)で、前年から2県減少した。この中で、岐阜県は9年連続、山梨県は10年連続、香川県は11年連続して、検定試験を実施していない。しかし、今年も岐阜、三重の両県から計3人が、愛知県で越境受検していることが判明している。北海道の「学科のみ開催」も、来年以降北海道の外で実技を受検する可能性があるだろう。
現在、全国板硝子商工協同組合連合会を脱退・休会している県は、福島県、茨城県、千葉県、山梨県、静岡県、三重県、滋賀県、鳥取県、山口県、徳島県、香川県、高知県、長崎県、宮崎県で多くが検定未実施県と重なっている。これらの県では、検定に対する関心の低下や、受検に向けた体制づくりが困難になっていることが懸念される。これらの県に対するPRや、受検希望者へのケアを行わなければ、受検希望者が受検をあきらめるケースも出てくるのではないだろうか。
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今回の検定合格率は、1級、2級とも前年を下回る低調な結果で、特に東京都、愛知県、大阪府といった都市圏での1級合格率低下が目立つ。
ある検定担当者は「受検者のレベルが年々低下している」と指摘。その理由を「現場での実務経験はあっても、その経験の多くは施工経験で、ガラスを切る経験は少ない。最近は完成品が多く、現場でガラスを切って調整するような機会が無いことの影響があるのではないか」と分析している。同様の意見が各地の訓練校講師や検定委員からも上がっている。現場で求められる技術が変化する中で、ガラスを切る技術の継承が困難な時代になってきたのかもしれない。
また、2年連続で女性の受検者が2人あった。愛知県と大阪府で2級を受検しており、いずれも合格している。建設業界全体で、女性の就業者を増やす取り組みを進めており、女性の技術者や技能者も増加中と言われているが、全産業から比べると、まだまだ少ない状況と言える。業界として、女性向けにガラス施工技能士の魅力を発信し、先入観なく業界を見て貰えるよう、アピールを継続する必要があるだろう。
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今回の受検者数は、前年から微増した。新型コロナウイルス感染症が拡大し、一部地区ではまん延防止等重点措置が発令される中で試験が行われるなど、受検環境は厳しい状況が続いている。市況も落ち着きを見せない中で、安定した生活を求めるうえで資格は一つの武器となる。ガラス施工技能士資格を取得することで、「登録硝子工事基幹技能者」の受講資格や「建築キャリアアップシステム」への登録や「技能グランプリ」などの競技大会への出場も可能となり、仕事の幅を広げることにもつながる。新たな人材を業界に呼び込むためにも、資格取得の支援が重要になる。